今回レポートするのは「世界の子育て、保育を知る旅」と題し、海外の子育てや保育事情の今を知り、対話する場の紹介です。ではさっそくレポートをどうぞ!
「世界の子育て、保育を知る旅」って?
保育士である久保田修平さん(しゅうちゃん)と奥さんの友美さん(ともちゃん)が、600日間世界の国々を旅しながら、保育園や教育現場を視察。海外在住の日本人の方々と会い、子育て中のお母さんやお父さんが現地で感じていることをインタビューしてきた。その体験談をもとに「子どもたちを取り巻く環境」そして「本当の豊かさとは何か」をみんなで共有し、ゆるくつながりを持てる場です。
旅にでたきっかけは、久保田さんが保育園で働いていたときのこと。たまたま別の施設の保育を体験する機会があり、自分が経験してきた保育との違いを知ることに。「子どもの主体性を大切に」と言われている中、本当にそれができているのか。色々な疑問やモヤモヤが積み重なり、もともと海外に興味があった久保田さんは、奥さんを誘い、この壮大な世界一周の旅を計画・実行したそう。


600日間、25カ国、31施設を見て、感じたこと
「日本の保育は30年遅れている」
旅がはじまってすぐ、ハンガリーを訪れたときのこと。現地の先生から言われたこの言葉に、久保田さんはとても衝撃を受けたと言います。
「この先生は、日本の保育園で研修を行っているので、日本の保育事情にも詳しかった。だから軍隊的な保育をしていると言われた時はやっぱりショックでしたね」
それでも次の滞在先のドイツでは逆に勇気をもらったそう。ドイツの保育園では30年前、今の日本と同じような集団保育が主流だったが、今目の前で見ている保育の現場は全然違っていた。
「その子が心地よく過ごせることや“個”を大切にする関わりが多く見られた。変われるんだと思いました」
保育士はもっとラフでいい
保育士のことについて感じたことも話をしてくれました。
保育士と言うと、日本ではエプロンやジャージを着ている姿を想像する人も多いかと思います。海外の保育士は私服で仕事をしているそう。子どもたちに対して普段の生活環境を大事にしているためか、それがとてもラフで雰囲気が良かったと言う。
デンマークでは、コーヒーを片手に子どもを見守る保育士の姿に驚きを隠せなかった。その施設の園長が言った言葉がある。
「私たちは常に子どもたちのことを考えているし、見守っている。でも大人がリラックスして楽しむことも必要だと思います。その方が子どもものびのび出来るでしょ?」
これまた、ガガガーンと強い衝撃を受けたという。
「保育士として現場にいたときを思い出すとまるで正反対。“子どものために”を考え過ぎて、いつも肩肘がはっていた。大人が楽しんでのびのびしていたら、子どもも自然とのびのび過ごすことができるのかもしれませんね」


今後について
600日間世界を旅してきて、固定観念がひっくり返るような経験をしてきた久保田さん。今後のことについて聞きました。
「自分を育ててくれた恩返しの意味もありますが、生まれ育った東京・大田区で保育士として働きながら、自然の中で子どもを信じて待つ子育ての場をつくりたいと考えています。あとは、大田区ではまだ保育士の横のつながりを持てる場がないので、そういった場もつくれたらいいですね」
まずは地域から。海外で見てきたこと、感じてきたことをベースに、自分でできることから『一歩を出す』ことをはじめたいと語ってくれました。
もちろん、この経験を多くの人と共有するために「世界の子育て、保育を知る旅」講演会も続けていくそう。
まだまだ続くよ「世界の子育て、保育を知る旅」
この講演会は月に1回開催する計画(8月はお休み)で、主催開催やゲストスピーカーとして各地に出かけていく予定。話したいこともまだまだ盛りだくさん。今後はテーマをもっと細分化しての開催も考えているとのこと。1度参加した人も、また楽しめそうですね。
興味を持たれた方は、是非足を運び、新たな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
次回開催のお知らせ
日時
2017年5月28日(日)13:30 - 16:00
場所
入新井集会室:小集会室(LUZ大森4F)
〒143-0016 東京都大田区大森北1-10-14-4F
参加費
500円(定員20名)
お申し込み方法
必要事項を記載の上、下記のアドレスにお申し込み下さい。
aurorajourney@hotmail.co.jp
【件名】5月28日申し込み
【本文】1.お名前 2.電話番号 3.参加理由、質問(記載任意)
「世界の子育て、保育を知る旅」
Facebookページ:https://www.facebook.com/aurorajourney/
修平さんの旅ブログ:http://ameblo.jp/aurorajourney/
(2017年4月28日 取材・文:柴山和代)